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大学中退パチプロが外資系有名企業の管理職を経て起業するまで。【人生大逆転】のターニングポイント①

出会い系企業を担当したこと

私は30歳の時、インターネット専業広告代理店に入社した。それまで営業経験も無ければ、広告業界の経験も無い。ましてや、インターネットもほとんど見ていなかったし、パソコンもほとんど使ったことは無かった。要は、三流大学を中退して、フリーター、パチプロ、飲食店勤務の20代(詳しい流れはプロフィールを見てください)でしたので、這い上がる要素はゼロです。

そんな私でも6年後には、世界的有名企業に入って、管理職までやったのだから人生は面白い。

這い上がることが出来た最初のターニングポイントは、インターネット専業広告代理店に入社して3か月後、出会い系クライアントを引継ぎして担当するようになった事だと思います。

出会い系クライアントとは何か?というお話ですが、要は、出会い系サービスを提供している企業をクライアントとして担当するようになったという事。出会い系企業って、一番きれいな企業で言えば、結婚相談所をやっている企業。有名なところで言えば、オーネットとか。

その下のランクになると、真剣に男女の出会いの場を提供している企業となり、その下に行くと、だんだん、みんながイメージする出会い系サイトとなってくる。過激なところになると、サイトや広告バナーとかで肌の露出が多くなり、完全に露出しているサイトも多数ある。(一応、私のクライアントは合法のサイトのみ扱っていました。酷い所だと完全に違法な事をやっているサイトも多数ありましたが、そういう所とはお付き合いしていません。)

どこまでがOKで、どこからがNGという境界線はあいまいで、グレーゾーンと言われる領域が多い業界でもあった。当然ながら、広告掲載という観点で言えば、大手メディアへ出稿できるのは、結婚相談所までであり、中手のインターネットメディアでも、多くのメディアでは結婚相談所以外は掲載NGという感じでした。

私が担当した企業は、もちろん肌の露出があり(あくまで見えてはいません)、大半のメディアで掲載NGでした。私が入社した会社でも、担当したがる営業マンはほとんどいなく、出来ればやりたくないという雰囲気がひしひしと伝わっていました。

私は、もともと底辺にいたので、やりたくないみたいな偏見は無く、ほとんど気にしていませんでした。しかも、当時出会い系サイトは、めちゃくちゃ儲かっていたサービスであり、広告の出稿金額も月間で4000万~5,000万円ほどの出稿をしていましたので、担当して即、営業の売上額だけで言えばTOP3に入るぐらいの成績になりました。

媒体インセンティブは美味しかった

当時、“ECナビ”というメディアでは、各広告代理店の営業に販売インセンティブを付与しており、月額1,000万円を超える販売をしてくれた営業マンに、売上に対する5%のインセンティブを商品券で支払うという事をやっいて、“すごい美味しい”と思って担当していました。

ただ担当して1か月後、このインセンティブは、取っ払いだったこともあり、ちゃんと会社を介して給与として支払う方が良いよね。という風にルールが変わり、5%だったインセンティブも2%ぐらいに減らされました。それでも月に1,000万円を売れば、20万円のインセンティブが入るので、“美味しい”ことには変わりはありませんでした。

社内の営業の中には、出会い系クライアントを担当してまで、20万円は欲しくないという方もいましたが、私はお金に“汚いも綺麗もない”と思っていたので、まったく気にもしませんでした。

話をしたかったことは、このインセンティブが美味しかったという話ではなく、出会い系という出稿できるメディアに制限がある企業を担当したことが、後に私のスキルの飛躍につながったことを伝えたいのです。

担当した出会い系企業が出稿できる当時最大のメディアは、“ECナビ”という懸賞サイトで、このメディアだけで月間1,200万円ぐらいの売上を立ててました。そのため、月間5,000万円ほどの売上を上げるには、このメディアは何としても継続出稿させる必要があるわけです。(個人のインセンティブ的にも。)

クライアントは出会い系企業であり、広告出稿の目的は、出会い系サイトに新規登録させるユーザーを集めることです。そのため、一人の新規ユーザーを獲得するために、いくらのコストが掛かったのか?という指標を厳しく見ていて、一人当たり確か1,000円を超えると継続出稿はしないというルールがありました。担当していて3か月ぐらいは、その獲得コスト1,000円/人をクリアしていたのですが、4か月目ぐらいから1,000円を超えるようになってきてしまいます。ECナビの継続出稿のピンチです!

出会い系でブランディングの提案

そこで、単純に、獲得効率だけを広告の指標として、広告出稿されていては、もう継続出稿は望めないと思った私は、出会い系企業なのに、ブランディング的な要素が必要だとクライアントに提案し始めます。簡単に提案のロジックを説明すると、

やひち

あなたたちにとって“ECナビ”というサイトは、一般企業で言うところのYahoo!である。ECナビを通じて、サイトの認知を得ているから、怪しい雰囲気の下々のサイトに出稿しても獲得単価1,000円以下で獲得できるのだ。

やひち

もし、ECナビの出稿をやめたら、他のサイトに出稿しても獲得単価1,000円以下では獲得できなくなる。しかもECナビの継続出稿が途切れたら、出稿停止中に掲載NGになる可能性が高い。継続出稿しているから掲載OKのままきているのだ!

やひち

もし、継続出稿をやめたら、ブランディングできるサイトがなくなる。そしたら、どこで、信頼を得るのですか?

という感じの提案をこの後、1年ぐらい続け、その間、継続出稿してもらいます。

ここで得た大きな経験は、出会い系というもっとも獲得効率に厳しいクライアントに、ブランディングが必要だと理解を得られた事です。のちに、獲得系クライアントと言われる獲得効率にうるさい担当者を複数の企業で、何人も担当しましたが、正直、一番最初に担当した出会い系クライアントがもっとも大変でした。ここで、頭を使い、提案ロジックを考えことが、1年後、IBMやLenovo、Cisco、SAPみたいなグローバル企業にも通用したんだから自分でも驚きです!

新規メディアの開拓

出会い系クライアントを担当して得た経験で、次に役に立ったのは、掲載できるメディアが無いなら、開拓すれば良いという発想を得た事です。出会い系で肌の露出をしているサイトになると、本当に掲載できるメディアが無いんです。それなのに、月間5,000万円ほどの売上を作らないといけないし、獲得単価1,000円を超えると継続出稿しないので、あっという間に提案できるメディアが無いという状態になります。

余談ですが、ひろゆきが管理人をしていた2chというサイトをご存じですよね。実は、2chもよく提案して、掲載していました。ただ、2chですら、肌の露出があると掲載NGなんです。2chの配下にPinkチャンネルという18禁のサイトがあり、そこなら、掲載できるのですが、そのサイトで掲載できる広告メニューは、ほぼ出稿していました。要は出稿するサイトとしては、ユーザーがそこそこ集まっていて、掲載OKのサイトを探さないといけないという状況なのです。

よって、私の仕事の一部に、インターネットを徘徊して、怪しいサイトを見つけては、サイトの管理者にコンタクトを取って、ユーザー数がどのぐらいいるのか?や広告を掲載することが可能か?を問い合わせしながら、新たに掲載できるサイトが無いかを探すという事が加わりました。おかげで、“グレーなサイト”と”ブラックなサイト”に詳しくなりました。堂々と社内でアダルトサイトを見ていましたからねw

20件ぐらい問い合わせすると1,2件掲載できるサイトが見つかり、いくらだったら掲載可能かの値段交渉をすることになります。当然、サイト管理者は個人だったり、SOHOだったりするので、いくらが妥当なのかも詳しく知りません。そういう場合は、お試し価格という事で1か月5万円ぐらいの出稿料金で枠を仕入れては、出会い系企業に50万円や100万円とかで販売していましたね。もちろん獲得単価1,000円以下じゃないと継続出稿しないので、継続になるサイトは中々ないのですが、たまに当たりのサイトがあったりしましたね。

このように、自分で仕入れて、自分で値付けして、自分で売るという商売の基本を、一人で経験できたのは、非常に勉強になりました。そのため、既成概念に囚われず、自由な発想でマネタイズの方法を考えられるようなったと思いますし、それはEC会社時代にも、企業のアセットを使ってマネタイズするという発想に活かされたと思います。要は、どんな企業であれ、どんな仕事であれ、ビジネスの本質を学ぶことは出来るという事です!

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